2022年7月16日土曜日

釉がけと削り

 











最近は土曜日の午前中に
必ずと言っていいほど、
カウンセリングが1件か2件
入っている。

なので、土曜日の第1と第3の午後、
陶芸工房に出かける日は
午前中にカウンセリング、
午後に作陶をするという形になる。

今日も10時からのカウンセリングを
1件受けて、
ランチに鶏専門店の
鶏チャーシューラーメンで精をつけ、
陶芸工房に向かった。

3か月に一度しか巡ってこない
釉薬をかける日だったので、
多少フライング気味に工房に入り、
物も言わず、作業に取り掛かった。

工房の奥では体験に来ている親子が
賑やかに楽しそうにお茶碗を作っている。
先生はこの人たちにつきっきりなので、
会員は勝手に作業を進めていく。

本日のミッションは
陶芸展の時の
受注作品である大皿や中皿など13点と、
植木鉢3組に釉薬をかけることと、
作陶が終わっているボンボニエールの削り。

使用する釉薬は
ほとんどが失透という白で
一部に織部の緑色という単純なラインナップ。

同じ時間帯に活動しているAさんが
同じ釉薬を使うと言ってくれたので、
ふたりで手分けして道具出しをし、
釉薬の攪拌をした。

釉薬の入っている大きなバケツは
女性がひとりで持つには重すぎるし、
新聞紙を床に敷き詰めたり、
1色につき20分も撹拌機で攪拌したりするのも、
ひとりでやるには重労働だ。

だから、釉がけの日は
友人同士、何色を使うかあらかじめ相談し、
分担を決めて取り組むことにしている。

まずは器についているほこりや土のカスを
スポンジで洗いながら取り除き、
裏面に筆で発水剤を塗って
裏面に釉薬が付かないようにする。

次にじっくり釉薬の攪拌をしたら、
順次、手早く釉薬をかけていく。

2色のかけ分けになる予定の器は
下に来る方の釉薬を先にかけて、
少し乾いたのを見計らって
2色目を重ねがけする。

釉薬をかけ終わって、
釉薬の表面が乾いてきたら、
器の裏についている釉薬を
雑巾やブラシなどを使って落とす。

この作業を丁寧に行わないと、
高熱で焼成した時に薬が流れ出して、
天板と器がくっつくという
大惨事を招いてしまう。

釉がけの作業は単に釉薬をザブンを
かけているだけではなく、
下準備と後始末の方が手間もかかるし、
神経も使う。

今日の釉がけの器の中では
何と言っても直径35cmぐらいある
大皿が最後まで首尾よく
焼きあがってほしいと思っているので、
この皿の裏の釉薬の処理には
特に神経をとがらせて取り組んだ。

残るは、ボンボニエール(ボンボン入れ)と
いう名の小物入れなのか、何なのか、
とにかく蓋物の器の削りである。

5月の展示会に出品した2点の小物入れに
引き続いて、
作陶してみたこの器。

作陶の難易度としては相当高く、
なにしろ、
蓋と身とそれぞれが一体成型で、
途中で粘土を足したり、引いたりせずに
ひとつの土の塊から、この形を生み出している。
(花びらだけは後からくっつけている)

パッと見は
蓋の上についている花びらあたりが難しそうに
みえると思うが、
実際は蓋のふちのドーム型だったり、
蓋と身の合わせ目なんかが難しい。

今日はその精度を上げるための削り作業で
この手の器は作陶して3つ目なので、
経験や学びを生かして、
なるべく蓋と身が一体に見えるように
微調整しながら削ってみた。

終わってみれば、
案の定、肩はバキバキ、目はショボショボ、
水分補給もそこそこに
作業に没頭したツケが回ってきた感じだ。

私のブログの閲覧数は
ばぁばご飯やコンサートに行った話に比べ、
版画の彫りや陶芸の作陶や釉がけなどは
数が伸びずに人気がない。

それはひとえに
絵ずらが地味でしんどい作業は
読者の興味をひいていないということに
他ならない。

ものつくり人の作業の大変さは
本人だけが知るもので、
やはり周囲の方の理解は得にくいと
いうことだろうか。

それでもあっちが痛いこっちが痛いと言いつつ
何十年も続けているのは
ものつくり人は
ものを創っていることそのものが好き、
ただただ、それが好きということに違いない。

人の生きがいはいろいろあるけど、
私にとっては
肩をバキバキにし、目をショボショボさせ、
土くれや版木と格闘することなんだと
しみじみ自覚したところである。

あ、言い忘れた。
カウンセリングでクライアントさんの人生を
少し明るい方へ導けたとき、
クライアントさんの笑顔に
私は生きがいは感じている。





















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