2022年8月15日月曜日

お盆のお仕事

 






いつもの年なら、
お盆の時期は次女が実家に帰ってきて、
映画を観に行ったり、ご飯を食べに行ったりして
過ごすのが通例だ。

しかし、最近はコロナの感染者数がにわかに増え、
次女の周りでも友人が3人、会社の上司まで
感染したので、
「今年のお盆は帰省しない」と言ってきた。

私は何となく遊びの予定も入れず、
カウンセリングの予約も入れずにいたので、
急に数日間のお暇な時間が出来てしまった。

かといって、
私の周囲にも感染者が出ているので、
わざわざ予定を作って出歩くのも気が引ける。

そこで、今年のお盆はまじめに
家で仕事することにした。

木版の彫りを進めるのはもちろんのこと、
昨日今日は新学期の準備をすることにした。

まずは、9月5日から始まる
「文学と版画展」に出品する本の装丁の校正。

お盆休みの直前にギャラリーから
校正依頼の原稿が届いた。

以前、持ち込んだ装丁のデザイン案を
印刷所のデザイナーさんとギャラリーオーナーとで、
大体の形にしてくださったものを、
細かいところの校正をしてくれと、
出力して送ってきてくれたのだ。

送られてきたものは
もう、ほとんどそのまま印刷に回しても
いいぐらいの完成度だと思ったが、
よく吟味し、細かいところにダメ出しをして、
微調整をお願いすることにした。

この装丁は元の「朱い橋」という作品を分割し、
前表紙と後表紙にしてある。
上下に分かれた作品を左右に並べたのに、
境目に降っている1本の雨が
そのまま繋がって見えるというのが
今回の装丁の1番のポイントだ。

デザイナーさんがその意図を見事にくみ取って、
いい感じにあたかも最初から右から左に
雨が降っていたかのように繋いでくれたことに
大感激!

まずはそのことに感謝の言葉を述べ、
少しだけ校正してほしい個所を指摘した。

「文学と版画展」に参加する版画家の中には、
本の装丁もすべて自分で手掛け、
出品してくる人もいる。

ミシンをかけてブックカバーのような表紙を
作ってくる人や、
篆刻みたいな技法で本の題名や著者の名前を彫り、
自分の作品を額縁のようにはめ込んだり、
イラレを使ってデザインしたり。

私にはそうした技術がないのが歯がゆいが、
今更嘆いても仕方ない。

せめて本のタイトルの「女徳」の文字は
自分で墨で書いてみた。

しかし、それもクリーム色の背景に
瀬戸内寂聴の明朝の文字と組み合わせる技術は
私にはないので、
ギャラリーオーナーに口頭で説明し、
アイデア・ラフ・スケッチに
意図をメモして渡したのだが、
まさに思惑通りに出来あがってきた。

こうしたグラフィック・デザインのスキルが
自分にはないのが悔やまれるが、
今から学ぶ労力を思えば、
出来る人にお願いするのが賢明である。

後は、レターパックに入れて送り返せば、
来週、校正案を微調整して仕上げてくれ、
9月3日の搬入・セッティングの日には
本の装丁として出来上がっているだろう。

とても、楽しみだ。

もう一件の宿題は
パティシエ学校の前期の定期試験の
「就職対策講座 習熟度テスト」の作成と
答案の配点と留意点の作成だ。

試験自体は9月初めに実施され、
直後に解答用紙が自宅に郵送され、
 私が採点するというのが流れだが、    
60点以下で追試になった場合は
学校の教務で採点するので、
その時に解答の留意点が必要になる。

今の時期は20日の締め切りまでに
各課の先生方が試験問題を考え、
テスト用紙を作成し、学校に送る段階。

「就職対策講座」でいえば、
毎年、ほとんど同じ問題を出しているとはいえ、
1年おきに出題している部分と、
2022年ならでは設問の部分があるので、
昨年のテスト内容に手を加え
今年のものを作ることになる。

「就職対策講座」の問題なので、
基本「自己PR」と「志望動機」は必須で、
あとは面接で訊かれそうな問題や
200文字以内で書く「5年後10年後の自分」
という作文がメインだ。

今回は
「まだまだコロナ禍ですが、あなたはあなたの職業を
通してどんなことが出来ると思いますか」と
面接で訊かれたら、何と答えるか
という1問を加えてみた。

さて、学生からどんな回答が戻ってくるか。
これまた、楽しみだ。

というわけで、
私の暇なお盆の数日は
いろいろな下準備をすることで過ぎていった。

展覧会や学校の授業などが表舞台だとしたら、
そこに至るまでには裏方で
様々な準備が行われている。

今年のパティシエ学校の学生は
今までになく食いつきのいい真面目な子が
揃っていたので、
記述論述式のテストにどのように反応してくるか、
期待しているところである。

もちろん「就職も頑張れ~」と
願っている非常勤講師の親心である。









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