2024年9月12日木曜日

戻ってきた装丁と額縁

 










先週1週間、銀座のギャラリーで
お披露目していた額と本が
昨夜、ようやく自宅に戻ってきた。

午前中に開梱して中身を点検した。

作品の入った大きな額縁と一緒に、
本の装丁のラフプランの図
2Lの写真を切り張りして作った見本
手書きの書による題名と著者名
プロカメラマン撮影による作品のCDーROM
実際の本
出来あがった装丁2パターン
(紙の質を変えたもの)

それらが丁寧に包装され
同梱された状態で宅急便で送られてきた。

並べてみると
ひとつの本の装丁が出来あがるまでに
かなりいろいろな工程があり、
何人かの人の手を経ていることが判る。

文学と版画展の他のメンバーは
全員、版画家なので、
装丁に関する知識や技術を持っている人とは
限らないが、それでも
大抵の人は自力で本の状態まで仕上げて
搬入してくる。

しかし、私はイラストレーター
(通称イラレ)をパソコンにインストール
していないし、
使いこなすことができないので、
ラフデザインまでは起こすけど
あとは人任せにして完成させている。

今回もギャラリーのオーナーのFさんに
すっかりお世話になり、
途中何度となく打ち合わせやら確認やらを経て
今回の装丁カバーは出来あがった。

これまで9回も出品しているが
今回ほどFさんが入れ込んでくれたことはなく
細かい指示を仰がれ
微調整を重ね、印刷所に持ち込んでくれた。

Fさんはデザイン畑出身というわけではなく、
「単にこういうこと好きなのよ」と
言うばかりだが、
この作業をグラフィックデザイナーに頼んだら
軽く10万円とか言われそうな作業だ。

しかし、毎年、回を重ねるごとに
Fさんの中に
「萩原のブックカバーをよりいいものに」と
いう意欲が芽生えているようで
いつになく熱心に取り組んでくださり
感謝の気持ちでいっぱいだ。

私としては「文学と版画展」に関しては、
いつでも来年の本にどれを選んで
どんな作品と合わせようかという思いがあり、
版画の原画をおこす時すでに
大体この辺に作品タイトルがきて、
著者名はこの辺にくるといった
装丁イメージを意識している。

それをFさんもよく感じ取っているらしく
「それは十分、伝わっているわよ」と言うので
最近はタッグを組んでいる感が出てきている。

先週のお披露目の中で
一緒に発表した仲間や私の友人からの
感想や意見をいただき、
無事に
今年度の「文学と版画展」の仕事は終わった。

そこにかけた情熱と時間の割に
さらりと終わってしまうことに
一抹の不満と寂しさがよぎるが
とりあえず、
搬出され、諸々が私の手元に戻ってきた。

もし、私の死後、
回顧展が行われるようなことがあれば、
「萩原は本の装丁も手掛けていて、こんな風に
デザイン画や表題の手書きの書が…」なんて
展示されることになるかもしれない。

ふと、そんなことを思って
今回のデザイン画や装丁一式は
右左にゴミ箱にというわけにもいかず
本棚にしまい込んだ。


















0 件のコメント:

コメントを投稿