2024年9月3日火曜日

「文学と版画」展スタート

 















9月2日(月)から
銀座のギャルリー志門で
第10回「文学と版画」
~文学へのオマージュ~
と、題されたグループ展が始まった。

展覧会の前半は旅行の予定だったが
台風の影響を受け、キャンセルになったので、
急遽、初日に画廊に行くことにした。

一緒に旅行に行くはずだった友人を誘い、
銀座のマロニエゲートの中のレストランで
タイ料理のランチをしてから、
セッティングの終わった会場へと向かった。

土曜日の夕方のセッティングにも参加したが、
その時は場所決めや飾りつけ
本をのせる棚の設置など、
大工仕事ばかりなので、
ゆっくり展覧会場全体を見渡すことがない。

だから、展覧会として見るのはこれが初めてだ。
この展覧会は自分の版画作品の下に
小さな棚が作られ本が載っている。

それがこの展覧会の最大の特徴だが
やはり、静かで独特の空間を作っていて
とても面白い展示だと思う。

作家たちからも同じ意見が出たが、
この展覧会は版画家がどんな本を選ぶのか
まずはそこで人となりやその人の趣味が
分かってしまうので、
見に来た人に
そのあたりを見透かされてしまうようで
怖いという。

大体、男性作家は哲学的な難しい本を、
女性は童話や恋愛小説など柔らかい本を
選ぶ傾向がある。

私はこの展覧会に参加して9回目になるが、
女流作家の書いたものを選ぶことが多い。

今回は原田マハ著「板上に咲く」を選んだ。
内容は棟方志功の若き日から
「世界のムナカタ」になるまでを描いた
史実に基づいたフィクションだ。

初日にいらした何人かの見知らぬお客さんから
「私、この人の小説好きです」という
言葉を聞いて、
やはり原田マハは女性に人気があるんだなと
感じた。

それでもこの小説は昨年、発表されたものなので
まだ読んでいる人はいなかったため、
内容と共に自分の作品との関係性などを
作者としてお話ししながら
会場にいらした方々とコミュニケーションした。

夕方には乾きものやビールやワインを用意して
コロナ禍で絶えて久しく取りやめになっていた
オープニングパーティらしき会をした。

DMに告知もせず、
SNSでちょこっとお知らせした程度では
ほとんど身内以外数人しか見えなかったが、
ひとりだけ、昼頃に
「いつ在廊なさいますか?」と連絡をくれた
Facebook上の友人が
わざわざ着物を着て駆けつけて来てくれた。

Facebookでは有名人で、グループの人も
何人も彼女のことは知っていて、
生で見たことはないものの
既知の人という感じだ。

私も直に会うのは2回目だが、
FB内ではアップしたものに反応したり
コメントを送り合ったり、
FB上では伏せている孫の顔写真を
個人的に送って来てくれたりするので
すっかり長年の友人のような気分だ。

その彼女は赤ワインを差し入れつつ、
会場の誰かれなく話しかけ写真を撮り、
それを
自分のFacebookにアップしていく。

皆も既視感のある人なので
旧知の知人のような気分になって
同じフレームに納まり写真を撮り、
自作の説明をしたりする。

世渡り上手な人を間近に見た思いで、
感心しつつも、
乗せられておしゃべりしている自分がいた。

旅行に行っていたら
このオープニングパーティには
参加していなかったわけだから、
キャンセルになったことによって
本業のおつきあいをパスしなかったことになる。

旅ともの友人とは
「このリベンジは必ずしましょうね」と
約束しつつ、
「本業は本業で大切に。人脈は宝物」
と思って
今日一日を有意義に過ごせたと思う。






 



























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