2025年7月10日木曜日

出版祝いと快気祝いと

 







6月は紫陽花展があり出版がありに引き続いて
一転、手術があり入院がありの
まるでジェットコースターに乗っているような
日々だった。

本来なら、紫陽花展で作品をお求めいただいた
Aさんには手渡しで額と絵葉書を渡し、
その時にペーパーバック版が出ていれば
それもお渡しする約束だった。

それが、急転直下、
私の方が手術からの入院ということになり、
6月後半からあれよあれよと月日は流れ
7月に突入した。

入院中、友人Aさんはとても心配してくださり
誰よりもこまめに様子を訊いてくださっていた。
なので、誰よりも早く、
退院後にお目にかかる機会が欲しかった。

作品もそうだし本もそうだが、
何より積もる話が山積みだった。

時は遡り、ちょうど1年前、
私達は同じふぐ屋さんが提供する
夏のうなぎ御膳を食べながら、
その時はAさんの旦那さまの快気祝いをした。

今回は同じお店の45周年の記念御膳で
ふぐと鰻を食べながら
私の出版祝いと快気祝いをすることに。

ふぐも鰻も、私は今年初めてだ。
ふぐは通常、冬にいただくが
今年は食べに行かれなかった。
執筆に追われ、それどころではなかったのだ。

土用の丑の日は7月19日だそうなので、
ちょっと早いが
それよりも断然早く日本は連日の猛暑なので、
今日も十分、うなぎ日和といえよう。

川崎で落ち合い、熱風を避けながら店まで歩き、
まずはゆずサワーとゆずハイボールで
もろもろに乾杯!!

最近、あまりにいろいろなことがありすぎて、
グラスを合わせるまでに時間がかかったが、
キンキンに冷えたゆずサワーの
のど越しは最高だった。

まずは「シマエナガ」の作品とペーパーバック版の
本とをお渡しした。
本の感想は読んでからということで、
まずは真夏のふぐ刺しをつまみながら
どこから話せばいいのかと
話を行ったり来たりさせながら
私達のお箸とおしゃべりは止まらない。

聴けば、Aさんは私の脳の手術の日、
心配で家に居ても、居ても立ってもいられないと
旦那さんを誘って映画「国宝」を観に行ったとか。

さすがに脳の手術とあって、
我が家族もわらわらして、
特に長女は心配性なので、あれこれ検索して
気をもんでいたらしい。
次女が報告してくれた。

娘たちは日替わりで病院に来てくれ、
長女は退院後の外来にまで立ち会ってくれた。
先生の話を直に聞きたかったのだとか。

次女は次女で仕事が超絶忙しいのに
2度お見舞いに来てくれ、
退院後は、荷物一式を実家に持ち込み、
実家でデスクワークをしながら
1週間泊まり込んでくれた。

私がちょろちょろ動き出さないように
見張るためだそうな。

こうして聴くと
手術当日、案外平常心だった私に比べ、
周囲を巻き込み、
すっかり波立たせてしまったようだ。

Aさんともそんなこんなの話はとめどなく
季節外れのふぐと
夏と言えばの鰻を堪能したはずだが
お腹は満腹になったけど、
ちゃんと味わえたかというと怪しいものだ。

それでも、久々の外食。
病院食で1㎏近く体重が減ったのに
きっと今日で元の木阿弥状態だろう。

しかし、水一滴飲めない地獄の後に
達した今回の境地はというと
人はいつなんどきどうなるか分からないのだから
「食べたいものは食べる」
「行きたいところには行く」
「会いたい人には会う」
ということである。

それじゃ、何の学びにもなってないとも思うが、
「腹八分目まで美味しく食べる」
「行きたいところに行ける体力があるうちに行く」
「会いたくない人には無理して会わない」
と言い換えることもできる。

やはり
「自分に正直に生きる」
これが今回の手術と出版で私が学んだことである。











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