2026年4月22日水曜日

4月のお茶のお稽古












   今日は4月最後のお茶のお稽古日。

お茶道の世界では

1年の内、

大きくしつらえが2つに変わる。


11月が炉開きといって

お茶の世界のお正月にあたり、冬の始まり。

ここでお新茶(抹茶)の封が切られ

初めてその年のお茶を味わうことになる。

お茶室では炉が切られるので、

炉にお釜をかけたお点前になる。


4月いっぱいまで炉は切られていて

5月になると炉の部分は普通の畳になり

風炉の季節の到来だ。


5月から10月までが風炉になり

5月からお茶の世界の夏が始まる。


炉は畳の一部に埋め込む形なので

いかにも茶道らしい風情だと思うが、

5月に畳の上にお釜が変わるにあたって

実は3月から炉の中の景色が徐々に変わる。


3月、釜を乗せる五徳がなくなり、

炉段の縁に羽根がかかるような形の

裏甲釜という名のお釜になる。


4月はもうひとつお釜は畳に近づき

釣り釜になる。

釣り釜は文字通り、天井からたらした鎖で

釜を吊っている。

宙に吊られた釜が少し揺れ、

お釜の下にくべられた炭の景色が見える。


今日は4月最後のお稽古日だったので

いつもの濃茶点前と薄茶点前の他に

この釣り釜の炭点前の稽古もあった。


私は2023年の4月に釣り釜の炭点前を

やらせてもらったので、

今日は同行のNさんの番だ。


炭点前がある時はお点前を振られた人が

炭斗(すみとり)という籠に

炭を所定の形に組んだり、

香合に香を入れたりして下準備を行う。


炭点前は月の最後に1回あるかないかなので

とても勉強になるし、楽しい。

最近は茶道用の炭も

すっかり高価になり

なかなか手に入らないとかで

以前のような頻度でお稽古がないのが

残念だけど、

いつものお稽古ばかりでは飽きるので

炭点前やお免状物などがあるのは嬉しい。


今日はお天気や気温もちょうどよく

爽やかだったので、

私は春らしい色の墨流しの紬に

白地の木目柄の塩瀬の帯をしていった。


棚は「旅だんす」といって

この時期、本当なら屋外で

桜の木の下に毛氈でも敷いて使うような

お棚である。


屋外ではないけど、

釜が釣り釜で、棚が旅だんすとなれば

もうすぐ風炉の時期を迎える直前の春の

お道具組みである。


こんな風にお茶の世界ではお軸や花、

棚やお釜、お茶碗、お菓子にいたるまで

随所に亭主が季節やお客様のことを考えて

お道具組みを整える。


今日の茶杓は

大徳寺のお坊さん常閑さんの作で

銘は「花の宴」だった。


4月も20日を過ぎて「花の宴」は

地球温暖化の折に、ちと遅いけど

気持ちは赤い毛氈を敷いて

「花の宴」でお茶を点てているという物語。


こんな風に炉の季節を惜しみつつ

月日は流れ、

5月には風炉の季節に突入する。


日常の中ではどんどん季節感が薄れ、

気温は毎年、

例年より上昇しているという

ニュースばかり。


そんな中でも

節目節目に季節を愛で

行く春を惜しむ気持ちを大切にしたい。

なんてったって

日本は四季の国じゃなく二季の国になり

この夏、40℃を超えたら「酷暑」と呼ぶと

決まったばかりだ。


この先、毎日、暑い暑いと言いながら

過ごす毎日が目に見えるようだ。

せめて、爽やかな今日のような1日、

がんばって着物に袖を通し、

春を味わいたいと思う。

「日々是好日」

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