2019年10月20日日曜日

三渓園のお茶会

 
 
 
 
神奈川県横浜市中区の根岸にある三渓園で
表千家の青年部の「関東合同茶会」なる
お茶会が開かれた。
 
三渓園は実業家であり茶人の原三渓によって
1906年に造園された庭園である。
 
17,5haの広大な敷地に17棟の日本家屋が点在し、
その内のいくつかはお茶席仕様になっている。
 
何年かぶりに行った三渓園は
手入れの行き届いたお庭と池があり、
昨日までの雨も上がり、
ほどよく風も吹いて、
なかなかのお茶会日和に恵まれて、
玉砂利を踏みしめて歩くだけで気持ちがいい。
 
表千家青年部とは45歳以下の表千家で学ぶ会員を中心に
運営される会で、
普段は主に県ごとに活動している。
 
今回はその内の
神奈川支部と栃木支部、千葉支部が合同で茶会を開催する
というもので、
合同開催は、実は初めての試みとか。
 
我がお社中からも神奈川支部に属して、
青年部の会員として頑張っているメンバーがふたりいるので、
応援の意味も含め、
先生とお茶中のお仲間2名、そして、私の計4名で、
お茶会に伺うことになった。
 
先ず、最初に月華殿のいうお茶室にかかっている
神奈川県青年部のお茶席に入ることにした。
朝早くに集合した甲斐あって、
 
1席目に入ることが出来、
鎌倉彫が全面に施された竹台子に仕組まれた
立派なお道具組を拝見。
 
いずれも由緒ある道具ばかりで、
神奈川の底力を観る思いだった。
 
神奈川県青年部には
噂に聞く元青年部部長さんがいて、
1席目はその方が半東をしながら、
おもしろ可笑しくお道具の解説をしてくれるので、
由緒ある高価なお道具をさりげなく使っていることに
驚かされる。
 
次に入った栃木県の青年部の部長さんは、
純朴が袴をはいて座っているような方で、
「栃木らしさをどうやったら出せるかいろいろ考えました」と、
日光東照宮にちなんだものなどが出され、
お人柄や県民性を感じさせた。
 
もうひとつのお席は
千葉県青年部のお席だったが、
こちらの青年部部長の男性は真面目な研究者タイプ。
 
あまりお道具について声高に語ることなく、
静かで素朴、
やはり千葉の県民性を感じるお茶席だった。
 
栃木と千葉のメンバーは前の日から泊まりがけで、
このお席に使う道具もリュックに入れて手分けして運んで来たとか。
 
地元の神奈川県勢は決してそんなことはしていないだろうから、
このお茶席にかけた想いも自ずと違うのだろう。
 
三渓園は栃木と千葉のメンバーにとっては
憧れの武道館デビューと同じだったのかもしれない。
 
同じ日本でも茶道の本丸・京都に住んでお茶をしている人と、
東京や神奈川など都市部でお茶の稽古をしている人、
地方都市で稽古している人では、
相当違うということが、そこはかとなく分かる会だった。
 
それぞれのお席で、県を代表するお菓子をいただき、
お薄をいただいたが、
合同茶会だからこその違いと個性を味わい、
感慨深いものがあった。
 
次の週明け、月曜日には
京都・大徳寺で、お社中のメンバーのひとりが、
お茶会デビューを迎える。
 
私は単に上生菓子を口に運びながら、
「大変そう・・・」と観ているだけだが、
お茶会主宰者側の人は、
いずれもあまたご苦労があるにちがいない、
それがほの見えた3県合同茶会であった。
 
 
 

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