2020年1月9日木曜日

DM用写真の撮影







年に一度の作品写真の撮影が行われた。

例年なら4月か5月に、1年分の作品6~7点の撮影を
お願いしているが、
今回は最新作を個展の案内状に使いたいと思い、
まだ、3点しかできていないのに、
フォトグラファーさんに無理を聞いてもらった。

4月初めの個展に対して、
どんだけ早くから準備しなければならないんだと思うが、
版画芸術という季刊誌の編集者からも、
「3~5月に個展の予定がある人は知らせてください」という
メールが暮れに来て、
個展の内容を書いて返信したら、
「掲載させていただきます」という連絡がきた。

そんな風に世の中は
早手早手に段取りが進んでいく。

DMも作成してもらうには
それに適した画素数で撮影した作品写真が必要で、
素人がスマホで撮ったなんていう
お粗末な写真は使えない。

プロのフォトグラファーにお願いして、
毎年、作品を撮りためてきているので、
同じ方に撮ってもらうのが一番だ。

埼玉県在住の写真家さんなのに、
気持よく引き受けてくださり、
いつもどおり我がアトリエはスタジオに変身し、
撮影は1時間ほどでつつがなく終わった。

その後、お茶をしながら、
今回の大きな作品の本摺りの時、
摺りが仕上がっていく途中を自分で撮影し、
ブログにアップしたという話になった。

手元にあったスマホの写真データを見せると、
大いに興味をそそられた様子で、
「いいですねぇ。
いつか私に摺っているところを撮らせてくださいよ。
摺りの邪魔はしないように気配を消して
撮りますから」と言われ、
考えてもみなかった提案に心が動いた。

木版画の摺り手順を残しておくことは、
ブログにアップするためだけでなく、
普通は見られない途中経過なので、
見る人にとって興味深いものだろう。

しかも、自分で撮っていては、
本人は写らないし、
真剣に摺っている最中に自撮りするとかも考えられない。

プロの写真家が気配を消して、
アトリエの一隅に身を潜め、
作家の真剣勝負の様を切り取る。

「プロフェッショナル仕事の流儀」のようだ。

すごく撮りたそうに
「機会があれば是非、撮らせてください」と言われ、
本当にいつか撮ってもらいたいという
気分になってきた。

画集を作った時など、
作品だけが並んでいるより、
制作風景や作品の途中経過があれば、
親近感も沸くし、
どれだけ大変な作業なのかも理解してもらえる。

長いこと木版画を創ってきたが、
そろそろ「まとめる」ことも考えてもいい。

5年越しで実現する個展、
次の個展などまるで考えられないが、
画集編纂という大きな目標というか
お題をいただいた1日だった。

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