2021年4月4日日曜日

狂い咲き

 







今年の3月は温かかった。
4月に入っても、それは続いている。

温かすぎるといってもいいぐらいの陽気だ。
先週来、ずっと最高気温が20度を超えている。
5月中旬から下旬の気温だという。

ソメイヨシノの桜も
例年より10日ほど早く開花し、
入学式はおろか卒業式の時には満開か、
散り始めていた。

気の早い春の花たちは何も桜ばかりではない。
我が家の花たちも一斉に咲き出してしまった。

ジャスミンやニオイバンマツリなど
いずれもゴールデンウィークの頃に満開を迎える花たちだ。

それが今年は3月末から開花しているのだから、
約1か月も早く咲き出しているということになる。

正に「狂い咲き」

相前後して咲くシンボルツリーの白薔薇だけは
今のところ気配すらないが、
薔薇も周囲の気の早さに焦っているかもしれない。

いやいやお前が正常だよといってやりたい。

こんな風に初夏の花が1か月も早く咲く出すのは、
コロナ自粛の制限をかけられた人々が
しびれを切らして
まだ動くなと言われているのに街に繰り出しているのに
どこか似ている。

待ちきれない、その気持ちが
フライングして飛び出しているように
感じられてならない。

個人的にはコロナに関しては
正しく恐れて、やっちゃいけないことはやらなければ、
ある程度、動いて大丈夫と思っているクチだ。

それでも、早々と咲き出した庭の花を見ていると、
歓送迎会や昼カラオケに興じる不届き者と
同じように見えて、
なんだか哀しくになる。

後1週間で個展の初日を迎える身としては、
大阪のコロナ新規患者の数におののきながら、
東京の新規感染者も増大するのではと
恐れている。

東京は検査数の母数が少ないから、
発表されている数の信ぴょう性も疑わしい。

今更、個展が中止になることはないだろうが、
「行こうと思っていたけど、辞めました」という
連絡がバタバタ入るのではと心配なのだ。

それでなくてもすでに、そうしたメールは
何本か届いている。

人の気持ちまで左右できないのは
分かってはいるが、
狂ったように咲き出した花たちを見ながら、
春爛漫を享受できない気分の私なのである。









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