2021年7月7日水曜日

鎌倉は雨のち晴れ

 











水曜日は本来、お茶のお稽古の曜日だが、
7月7日七夕様の今日は
1年に1度の「茶道文化講座」が
鎌倉芸術館小ホールで
行われることになっていた。

鎌倉芸術館は大船駅から徒歩10分のところにある。

昨年はコロナのせいで中止になったので、
今年は大丈夫かと少し気をもんだが、
人数を半分に絞って開催にこぎつけた。

今年はお茶のお社中と先生
総勢7名で聴講の予定で
水曜日メンバーとは12時に会場入り口で
待ち合わせていた。

私は午前中に1~2時間、時間に余裕があるので、
思い立って鎌倉の八幡様に
取材にいくことにした。

新作に使う題材として
八幡様の参道の入り口にある太鼓橋の写真を
撮影するのが主な目的だ。

今朝までかなり強めに雨が降っていたが、
家を出る9時頃には
傘をさすかささないか迷う程度に
雨は小降りになっていた。

元々、雨のシリーズなので、
雨の降る太鼓橋風景で一向に差し支えないのだが、
傘を差しつつスマホを操るのは難しいので、
雨が上がるといいなと思いながら、
地下鉄と横須賀線を乗り継ぎ、鎌倉に向かった。

朝10時前の小町通りはまだ人影もまばらで、
どんより雲が立ち込めているとはいえ、
何とか傘はささずに八幡様の参道に着いた。

太鼓橋は思い描いていた通り、
手前の赤い柵がいい雰囲気を出していて、
作品に使えそうな気がしてくる。

角度を変えて何枚もシャッターを切っていると、
急に太鼓橋に光の帯がかかり、
周囲が明るくなった。

まさかの太陽が差し込んで、
午前10時、鎌倉は雨空から一転、
晴れ間がのぞいている。

太鼓橋さえ写真に収めればいいと思っていたが、
視界の両脇に広がる蓮の池にも光が差し、
輝くような緑がにわかに目に飛び込んできた。

太鼓橋を挟んで
源氏池と平家池には一面に蓮が広がり
ところどころに花も咲いている。

雨に似合う植物は紫陽花だけではない。
そうだ、蓮の葉に溜まった水の雫も
昔から絵画の恰好の題材だ。

近寄ってみると、
今朝がたまで降っていた雨の雫が
それこそ絵に描いたように葉の中心に水玉を作って
まるで呼吸をするように
プクプクと茎に吸い込まれていく。

最初から晴れていては決して見られない光景に
嬉々としてシャッターを切り、
その瞬間に光さえ差し込んでいることに驚き、
天の采配に感謝した。

太鼓橋よりよっぽど数多くの写真を撮り、
メモ帳の最後の方のページに
ペンで写生も残した。

むくむくと次の作品には
この蓮を使いたいという構想が浮かび、
思い切って鎌倉まで出向いた自分の勘を褒めたい気分だ。

いつもは神楽が舞われたりする社では
折しも七夕の催事が執り行われ、
周囲を飾る纏が風に揺らいで美しい。

これも何かに使えるかもしれない。
そう思って、何枚か写真に収めた。

午前中の1時間の取材としては
かなりの収穫で、
ひとり気分が浮き立つ。

その後の鎌倉芸術館小ホールの「茶道文化講座」では
ミホミュージアム館長の熊倉功夫氏による
「表千家と久田家」と
鈴木時代裂研究所所長の鈴木一弘氏による
「名物裂のこと」という講演が行われた。

こちらの講演会のお話も
興味深い内容だったが、
個人的には
スマホに収めた大量の蓮の写真が手に入り、
制作意欲に火が付いたことが
本日の一番の収穫と言えよう。

そして、影の立役者、
「雨」と「太陽」
グッドタイミングで降って止んで、
本当に「よくできました!」と
💮をあげようと思う。




















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