2023年1月7日土曜日

遅れて来たクリスマスプレート

 










今日は2023年初の陶芸の作陶日、
2年越しの器の本焼きが出来てきた。

元々間に合わせるつもりはなかったが、
デザインにひいらぎを使ったせいで、
どうみてもクリスマス仕様のお皿たち。

ひいらぎがついているのは取り皿6枚。
薔薇がついているのが
ホールケーキが乗せられる大きさのケーキ皿。

直径が約30㎝ある。

作陶の技術としては
もちろんこの大きなお皿が一番難しい。
反りや歪みがでたり、
へたをすると本焼きでひびが入るかもと
心配していたが、
とてもいい仕上がりだった。

昨年12月の釉薬をかけた日、
この皿は大きすぎて釉薬の入っているバケツに
すっと入れることができず、
柄杓であっちからかけ、
こっちからかけしているうちに
釉薬が2重3重にかかり、
怪我の功名で
白のパートの厚い美しい肌に焼きあがってきた。

しかも反りも歪みも全くなく、
パーフェクト・ボディだ。

白1色にしたせいで、
焦げ茶色のガトーショコラもいいし、
赤と白のイチゴのショートケーキもいい。

私の10年余りの作陶歴の中でも
BEST3に入る出来かもしれない。

周囲のメンバーも口々に褒めてくれ、
陶芸歴の先輩として
ちょっと鼻が高い。

取り皿の方は6枚あり、
1回の作陶日に6枚とも作って、
時間ギリギリでかなり慌てて作ったが、
こちらも反りや歪みもなく
6枚とも同じように出来てきた。

セットものなんだから同じように出来て
当たり前と思うかもしれないが、
実はそこが一番難しい。

もちろん型はなく、ボール紙の型紙に合わせ
大きさだけは均一にできるが、
縁のねじねじやひいらぎや実の感じなど
すべては手びねりなので
同じように成形するのは案外大変なのだ。

そのことは一緒にできてきた
ティーカップの2客が不揃いなのを
みればよくわかる。

自分では同じように作っていても
ふたつはかなり違っている。

さあ、この二卵性双生児のような
双子のくせに似ていないこいつらを
良しとするのかしないのか。

そのあたりは趣味の陶芸なのか、
もうひとつ上を目指しているのかで
見解が分かれるところだろう。

まあ、いきなり割ったりはしないけど、
とにかく同じものを揃えて作るのは難しいと
今回も痛感した。

他の器は
クッキー皿とレモン皿。

こちらはそれぞれ1枚ずつしかないから
少々歪んでいようといまいと
他と比べられないから
きっと生き残ることだろう。

こうして本焼きを終え、
今日も新しい器が手元にまた増えた。

クリスマスプレートにしかみえない
ケーキ皿たちは
2022年のクリスマスにも
2023年のお正月にも間に合わず、
とりあえずはお客さんの帰った
静かなリビングの大テーブルに今は並んでいる。

作者のキミノさんの気分次第で
そのままゴミ箱に行っちゃう子はいるのか。
いないのか。

少なくとも上出来だったホールケーキ用大皿は
でかい顔して
カップボードの下の棚の中、
薔薇がついているせいで一番上の特等席を
獲得することになりそうだ。
(重ねると薔薇の花びらが欠ける恐れがある)

こうして器の講評会が行われ、
成績のいい子と悪い子では
これからの器人生が変わってくる。

新年早々
悲喜こもごも
まるで人の人生のよう

みんなちがって
みんないい

そんな金子みすずみたいに
甘い世界じゃないのだ
陶芸界は。



















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