2023年8月21日月曜日

映画鑑賞『Barbie』

 









次女が観てよかったよ~と連絡をくれたので
私も映画『Barbie』を観に行ってきた。

最初はBarbieの実写版で
何を言いたいのか、
全く想像できなかったので、
あまり興味が持てずにいた。

しかし、観てみると
単にアメリカの理想の女性像みたいな扱いでは
なく、
Barbie人形が背負ってきた時代背景、
男女差別、女性の社会進出など、
かなり問題提起しようとしていることが
わかった。

Barbieが最初に発売されたのは1959年。
つまり私はBarbieとほとんど同じ年代を
生きてきたことになる。

日本にもBarbieは早くから輸入され、
私の幼少期は
Barbie派なのか、タミーちゃん派なのかに
人気は二分されていた。

Barbieは特に初代は完全に大人で
30代半ばかしらと思うような
女を前面に出した金髪のロングヘア、
濃い化粧で流し目をしている。
細いくびれたウエストに豊満なバスト
身長は175㎝に想定されているらしい。

洋服もボディコンの派手な衣装に
10㎝のハイヒールで
全体にゴージャスでハイクラスな印象だ。

一方、タミーちゃんは今のリカちゃんそっくりで
年齢は16歳ぐらい。
高校の制服とか着せてちょうどいいぐらいだ。
顔もまだあどけなく
幼児にとっては憧れのお姉さんという感じ。

当然、私はBarbieは何だか怖かったので
タミーちゃんを買ってもらい、
お洋服や小道具もいろいろ持っていて
お人形遊びに夢中になっていた。

しかし、Barbieみたいな大人の女性に
興味がなかったわけではなく、
アメリカの女の人ってすごいなと思って
Barbieを通して畏怖の念を抱いていた。

今回の実写版Barbieは
バービーランドという夢の国から物語が始まる。

あらゆるところがピンクに彩られ、
毎日、楽しいガールズパーティに明け暮れる
バービーランドのバービーたち。

歴代のBarbie人形さながらの衣装をまとった
何人もの女性達はすべてBarbieという名前だ。

友達以上恋人未満のKENも登場するが
人形のKENには職業も家も与えられていない。

男性陣は白人も東洋人も肌が浅黒い人もいる。

一方、女性陣はみんな名前はBarbieだが、
大統領、弁護士、宇宙飛行士、CAなど
多くの職業についている。

ヒロインのBarbieは定型Barbieなので
白い肌に金髪ロングヘアで
見事なプロポーションをもつ、
いわばセックスシンボルのような女性。

おうちもピンクづくめのバービーハウス。
オシャレで可愛い家具調度品に
ドレッサーいっぱいのドレスと靴。
職業はない。

そのBarbieがある日、自分の劣化に気づき
ショックを受ける。
髪は乱れ、太ももにはセルロースが
浮かんでいる。

人間の子供に乱暴に扱われ、醜くなった
元美人のおばさんBarbieに相談すると
「人間界にいって
あなたを持っていた少女に会うといい」と
アドバイスを受ける。

人間界に行くと
Barbieを売り出した会社があり、
そこの社長以下全員が男性だということが分かる。
つまり、Barbieは男性が生み出したお人形。

でも最初のBarbieの生みの親は小柄な女性で、
今でも会社の片隅の部屋に住んでいた。
自分の娘の名前バーバラからとって
この人形をBarbieと名付けたという。

やがて人間界で
人形のBarbieは元の自分の持ち主を探し出し、
女性としての生き方に目覚める。

Barbieが誕生して早60年。
その間に社会情勢も大きく変わり、
Barbieのビジュアルもかなり変化した。

映画は定型Barbieの目を通して
いろいろなことを問いかけてくる。

映画が封切りになってすぐに
人権活動家のマララ・ユスフサイさんが
夫と共にBarbieBoxの中に入っている写真を
インスタにあげているのを見たことがある。

隣のダンナさんを称して
「ただのKEN」と言っているのが
とてもユーモアがあってセンスがいいと思った。

Barbieは常に変化しているのに
人形のKENはいつも側にいるだけの存在。
そのあたりが笑える。

さあ、人形のBarbieは
人間界に乗り込んでどうなろうというのか。

いろいろな解釈ができる
意外と奥深い問題提起の映画であった。
















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