2020年10月11日日曜日

「ミッドナイトスワン」鑑賞

 



たぶん7~8か月ぶりに映画館で映画を観た。

「ミッドナイトスワン」
草彅剛主演のトランスジェンダーの男性と、
シングルマザーからネグレクトにあっていた少女との
愛情物語。

私は4月のコロナ自粛以来、
YouTubeの動画を見る時間がとても増えた。

中でも、心理カウンセラーとしての興味からか、
普通に女性としての興味からか、
LGBT、
とりわけトランスジェンダーの人がアップしている動画を
見ることが多い。

何人かは登録して追いかけている。

その元男の子、元女の子の今の生活や
性転換に関するホルモン療法や手術のことを
赤裸々に語っているものを何本も見ていたお陰で、
この映画は何が何でも観に行かなければという気になった。

「ミッドナイトスワン」の草彅剛演じる凪沙は
体は男性、心は女性のトランスジェンダーだ。

目下、ホルモン注射を週に1回受けているので、
徐々に体やしぐさは女性らしく、声も少し高くなっている。
しかし、下半身はまだ手術していないので男性のままだ。

ニューハーフバーで働いていて、
ショータイムには
白鳥の湖に出てくる踊り子が着るチュチュを着て、
ショーに出ている。

そんな凪沙の元に育児放棄をされた姪っ子、
14歳の一果が押し付けられた形で転がり込む。
養育費目的で、凪沙は引き受けることにした。

バレエダンサーを夢見る一果。
才能を開花させ、すこしずつ成長する一果と凪沙の間に
徐々に疑似親子のような感情が芽生える。

劇中に出てくる凪沙の注射のシーンや医者とのやり取り、
手術を決意し、
タイに渡って、ひとりで性転換手術を受けるシーン、
手術の予後が悪く、大変なことになる凪沙。

実の母親のとんちんかんな考え、
心無い言葉を投げつける周囲の人々。

どれも今までの私だったら、
何の知識もなく、よく意味が分からなかったと思うが、
トランスジェンダーの人たちの動画をたくさん見ていたお陰で
何がおきているのか、何を言わんとしているのか、
今の日本のトランスジェンダーの現実など、
それなりに理解でき、涙があふれてきた。

性同一性障害への無理解や興味本位な見方、
シングルマザーの生きていくことの厳しさ、
本当の親子の愛情とは…など、
いろいろな問題を提起し、考えさせてくれた。

毎日、テレビや動画では
トランスジェンダーであることを克服したかに見える人たちが
楽し気に映っているから、
彼らの本当のところは、私達には分からないということが
よく分かった。

新人の一果役を演じた服部樹咲は
手足が長く、バレエもめきめき上達して、
とても可愛い。

草彅剛も元男性である女性のイタい感じがよく出ていて、
とても演技が上手い。
(動画の中のトランスジェンダー達も何人もが言っている)

人間て生きていくの、辛いね。
それでも笑って生きていたいよね。

人がそれぞれ抱えているものを乗り越えて、
強くありたいと思える、
そんな映画だった。



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