2020年10月5日月曜日

降臨 辻井伸行

 











10月4日日曜日、17時開演
サントリーホール 大ホールにて
「三浦文彰・辻井伸行・ARKシンフォニエッタ」
~ヴェートーベン~

3日に石田組のコンサートに
みなとみらい大ホールまで行ってきたばかりなのに、
連チャンで、辻井伸行のピアノを聴きに行くことになった。

なんと、もったいないとも思うが、
コロナのご時世、
たまたま延期になった日程が連チャンだったということで、
せめて、重ならなかっただけでも良しとしなければ。

今回のサントリーホールには
ご近所のおばさまとおじさま、
言ってみれば、私の陶器のファンの方達とご一緒することに。

私を含む4人の一致した意見として、
かねてより
「辻井伸行さんは凄い!一度、本物を見てみたい」
というものがあり、
その思いがここに結実した形だ。

会場はみなとみらいホール同様、
コロナで厳戒態勢、
席はひとつおきにしか取れず、もちろん満席。
4席並びでは取れなかったので、
チケット入手担当のおじさまの配慮で、
2階席の5列目、左右に分かれてふたりずつという形になった。

開場前のカフェで、4枚のチケットを前にして、
元幼稚園の園長先生Sさんと介添え役Fさん、
おじさまTさんと私のチームに分かれて座ることになった。

舞台に向かって、右が園長先生と介添え役、
左がおじさまと私。

席についてみれば、ピアノの手元がばっちり見えるのが、
私とおじさまの2席で、
SさんFさんの席は、
ピアノに阻まれてどうやら手元が見えない感じだ。

演目は
前半が三浦文彰のバイオリンソロとARKシンフォニエッタで
ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
ヴェートーベン

後半が辻井伸行ソロピアノとARKシンフォニエッタで
ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調Op73「皇帝」
ヴェートーベン

いずれも聴きなじみのある大曲である。

三浦文彰さんはNHKの大河・真田幸村のオープニングテーマで
ソロのヴァイオリンを弾いた人といえば、
わかってもらえるだろうか。

辻井さんとは同年代で、仲もよく、
共にARKシンフォニエッタの
アーティスティック・リーダーでもある。

とはいえ、私たち4人のお目当ては辻井さんであることは
いうまでもなく、
とにかく生で一度、あの辻井さんを見てみたいという
一念でサントリーホールの席に着いたのであった。

公演後半、20分の休憩の後、
扉が開き、「辻井伸行」が遂に舞台に登場した。

思っていたより、小柄で、コロコロしている。
まるで熊の着ぐるみを着ている男の子が
ちょこちょこと歩いてきて、
ピアノの前でお辞儀をしているみたいだ。

しかし、演奏が始まり、
いったんピアノのソロパートが始まるとどうだ。

その迫力、その華やかでのびやかな音色、
美しい指先から紡ぎだされる「皇帝」の荘厳なイメージ。

ピュアが着ぐるみを着て、
天賦の才を惜しみなく
会場いっぱいに響き渡らせているという感じだ。

Facebookで、多くの指揮者や音楽家がいうように、
彼の目が見えるとか見えないとかは全く感じさせないし、
なぜそんなに難解な譜面を何も見ないで弾けるのかなどという
陳腐な質問はどこにも見当たらない。

そこには血のにじむような努力があるのだとは思うが、
凡人には
神が与えたGIFTを得た天才がそこにいるだけだった。

三浦文彰さんも十分素晴らしい 演奏なんだけど、
なんだか辻井さんが異次元すぎて、
圧倒されてしまっていた。

アンコールは辻井さんひとりのピアノソロで
よく聴く小曲なんだけど、
今はアンコール曲はコロナのせいで、紙に張り出されないので、
曲名をしかとは思い出せないでいる。

終演後、私たちはタクシーで品川の新高輪プリンスへ向かった。
予約してあった和食「清水」で夕飯をいただきながら、
4人はそれぞれ興奮冷めやらない様子で、
演奏の感想を述べ
「推しメン辻井伸行への愛」を確かめたのであった。

ヴァイオリンの石田泰尚
ピアノの辻井伸行

なんと高尚な私の推しメンたち。

好きなアーティストがいるって素敵!
そう思えた初秋の出来事であった。





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