2020年10月23日金曜日

「モモ」を読み返して

 





ここ2~3日で、以前読んだ「モモ」を読み返してみた。

なぜ、急にそう思い立ったかといえば、
最近、心理カウンセリングにみえるクライアントさんで
子供や夫、周囲の人間関係に対して、
常にイライラしている人が多いと気づいたからだ。

相談内容で「イライラ」や「怒り」を覚えて
何とかしたいというクライアントさんは非常に多い。

何に対してとか、誰に対してそう感じているのかは
ひとりひとり違うのだが、
共通しているのは、
「自分の思い通りにならない」
「自分と相手の価値観が違う」
「自分と違う考えを受け入れがたい」など、
常に自分を中心にものごとを考えるがゆえに
「イライラ」したり「怒り」を覚えているようだ。

そのうちのひとりは
目下、子育て真っ最中のワーキングママなのだが、
すべてにおいて、
「時間が足りない」
「もっと効率的に動かなければ」
「早く早く早く~!!」と
そう思って毎日、暮らしているという話を
毎回、する。

彼女の話を聴き、
カウンセリングを進めながら、
ある日、私の頭の中に、
ふと「モモ」を読んだら?という
アイデアがひらめいた。

小説「モモ」は
ミヒャエル・エンデ作の児童文学で
対象は小学5~6年生以上とある。

私もいつ読んだか覚えていないぐらい前に
読んだ覚えはあるのだが、
どんな内容だったかも、
何を感じたかも、まったく思い出せない。

小学生の時に読んだのか、
大人になって読んだのかさえ思い出せない。

なのに、神様のお告げのように
また再び、「モモ」をじっくり読んでみたら?という
考えが頭に去来した。

先週末、楽天ブックスで新刊本を注文し、
週明けには届いたので、
さっそく読んでみたというわけである。

何十年たっても、オレンジ色の本の装丁は変わらず、
1976年7月24日 第1刷り発行
2020年9月25日 第76刷り発行
とある。

恐るべきロングセラーである。

「モモ」
時間どろぼうと ぬすまれた時間を人間に
とりかえしてくれた女の子のふしぎな物語

読んでみれば、本の装丁や挿絵もすべて
ミヒャエル・エンデの手によるものだというので、
それは何年経っても変えるわけにはいかないのも道理だ。

かすかに脳裏に残っていた「時間どろぼう」という単語が
今、私の元に通ってきているクライアントさんにとって、
必要な本なのではと導いてくれたのだと思う。

読んでみて、
それは正にその通りで、
現代人が手に入れた何かの代わりに
手放してしまったものの大切さを説いていた。

私は「モモ」を以前、親に買ってもらったのか、
自分で買ったのかさえ、覚えていないということ、
読んだはずなのに、何の感慨も残っていないこと、
また、もう必要ないと思って、
どこかの時点で本を手放しているという事実を鑑みるに、
私も時間どろぼうに時間を預けてしまったひとりなのだと思う。

今回、なぜか思い立って
今一度「モモ」を読み返したのは、
クライアントさんのためなんかじゃない、
間違いなく、神様が自分のために読むように
言ってくれたと感じている。

「過去・現在・未来」のひとつながりの時間、
ひとりひとりに与えられた時間を
時にはかみしめ、味わい、ゆっくり咀嚼する、
そんな過ごし方ができたら心が温かいだろうと
改めて思った
「モモ」の読後感想である。


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