今日はお茶の友人が、快気祝いと称して
北鎌倉の「幻兎庵」という懐石料理のお店を
予約してくれた。
お店のHPを見る限り古民家を改装したお店で
一品ずつ丁寧に作られた懐石料理なので、
気合を入れ、お洒落して出かけることにした。
出がけにテレビでどこかで大きな地震があり、
津波注意報が津波警報に変わったので
横浜や鎌倉あたりの電車も遅れが出ているという
情報が伝わってきた。
スマホで確認すると、
最寄駅から地下鉄で戸塚駅までは大丈夫だけど
そこから先の横須賀線は7分遅れだという。
しかし、実際に戸塚に着くと
横須賀線どころか他の東海道線などの
すべての電車が止まっていた。
その時は、地震があっての津波警報ではないので、
その内、警報は解除になるだろうと思い、
とにかく他の手段で北鎌倉を目指した。
鎌倉に住んでいる友人からも
「今、タクシーに乗れた」と連絡があり、
私もほとんど同時にタクシー乗り場で順番が来た。
思わぬ散財だったけど、
とにかく楽しみにしていた懐石料理なので、
着くことだけを考え、北鎌倉を目指したのである。
お店は北鎌倉の駅からは少し歩いたが、
少し坂の上にあって、
緑を借景にいかにも鎌倉らしい風情だった。
お料理も期待にたがわず美しく、凝っていて
季節の食材をふんだんに使ってあり美味しかった。
私達以外にはすでに3組のお客さんがいて
津波警報の中、
みなさんどのようにここまでいらしたのか。
友人とはお茶のお稽古でご一緒だが、
お茶の話というより、
今回の手術や出版、映画「国宝」の話などで
大いに盛り上がり、
たっぷり食事とおしゃべりを楽しんだ。
そして、2時過ぎ、
窓の外は夏の日差しがまだまだ強い昼下がり。
スマホで情報確認したが、
未だ津波警報は解除されておらず、
電車、バスなど公共機関は軒並み動いていない。
他の3組のお客さんも
「どうする?歩いて鎌倉まで行く?
でも、鎌倉に出てもタクシー捕まらないよ」など
皆、同じことを言いながら、
それでも1組2組と店を出ていった。
私達はもう少しここに留まって様子をみようと
4時過ぎまで、お店の厚意に甘えていた。
しかし、4時20分、
まだ、全く警報が解除される見込みもないので、
そこから鎌倉の友人宅まで40分ほど歩いていき、
友人が車で電車の通っている駅まで
送ってくれることになった。
意を決して店を出て、
北鎌倉の駅前の通りを鎌倉に向け
歩いている道中、
向うから「回送」のランプをつけたタクシーが
通りがかった。
友人がすかさず止めて交渉してくれると
途中の大船か戸塚まで乗せてくれるという。
なんというラッキー!!
乗ってから
聞けば横浜まで帰る回送タクシーだという。
なので、
「帰る途中だったんで、上大岡までいきますよ」と
快く引き受けてくれ
しかも安くしてくれるという。
行きのタクシーが戸塚から北鎌倉まで4,500円。
その倍以上は距離がある。
1万円は覚悟したが、
なんと2,500円のところでメーターを止めてくれた。
な、な、なんというラッキー!!!
お陰で歩いて友人宅に着くより早かったのではと
思うほどの時間で私は自宅に到着した。
家でテレビをつけると
まるで3.11の時のような大騒ぎで
ニュース番組は津波一色。
日本地図の太平洋岸は真っ赤に彩られ
点滅し、注意を促している。
自分が行きも帰りの本当にラッキーの連続で
今こうして自宅に戻れたことを知った。
美味しいお料理と楽しいおしゃべり。
電車の運休に対する的確な判断と
何よりいいタクシー運転手さんに恵まれたこと。
「今日のことはずっと忘れないわね、きっと」と
お店を出るなり友人が言っていたが、
本当にその通り。
帰宅後、それぞれ自宅でひとっ風呂浴び、
まずはビールで一息つきながら
テレビで
大船駅タクシー乗り場の200人の長蛇の列の
映像を眺めつつ、
つくづく我が身の幸運を思った。
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